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不動産会社のYouTube台本、6つの型で反響を取る方法

不動産会社のYouTube台本には6つの型があります。Q&A型(冒頭0:00〜0:15で質問+結論、本文3章、締め4:00〜4:30)、事例型、NG警告型、費用解説型、地域相場型、対談型です。売主の行動理由5大類型(相続/施設入居/住み替え/離婚/ローン困難)から検索意図を逆算し、商圏固有の論点を加えてテーマを選定します。

不動産会社のYouTube台本を書く経営者の手元と画面

この記事の結論

不動産会社のYouTube台本には、Q&A型、事例型、NG警告型、費用解説型、地域相場型、対談型の6つのパターンがあります。Q&A型は5分以内の解説動画に適し、対談型は15分の広告用または視聴維持率重視の動画に向きます。テーマ選定は売主の行動理由5大類型(相続/施設入居/住み替え/離婚/ローン困難)から検索意図を逆算し、商圏固有の論点を追加して差別化します。

Q&A型の構成と実例

Q&A型は最も汎用性が高く、5分以内の解説動画に適します。

構成の型: 冒頭(0:00〜0:15で質問+結論)→ 本文(0:15〜4:00で3章解説)→ 締め(4:00〜4:30でまとめ+CTA)

冒頭15秒で「自分向けだ」と思わせることが重要です。検索語を冒頭5秒以内に含め、悩みを代弁し、結論を予告します。

実例: 「相続した実家を売りたいけど、何から始めればいいかわからない…そんなお悩みありませんか? 今日は相続不動産を売却する3つのステップを解説します。」(冒頭0:00〜0:15)→ 第1章 相続登記(2024年4月義務化・3年以内に登記、0:15〜1:30)→ 第2章 査定依頼(高すぎる査定額に注意、1:30〜2:45)→ 第3章 媒介契約(専任 vs 一般の使い分け、2:45〜4:00)→ 締め(無料査定の案内、4:00〜4:30)

冒頭フックの良い例と悪い例:

良い例「相続した実家、売るべきか貸すべきか悩んでいませんか? 今日は判断基準を3つお伝えします。」→ 検索語が冒頭にあり、悩みを代弁し、結論の予告がある。

悪い例「こんにちは、◯◯不動産の◯◯です。今日は相続のお話です。」→ 自己紹介から入り、何が得られるか不明。

売主集客の3つの打ち手で触れた通り、検索流入で反響を取るには冒頭5秒で検索語を言う必要があります。

事例型・NG警告型の構成

事例型は過去の成約事例を基に信頼性を高める型です。構成は、冒頭(事例の概要・視聴者との共通点)→ 本文(悩み→解決策→結果)→ 締め(同じ悩みを持つ方へ+CTA)。個人情報は完全に匿名化し(例:「関西の築30年マンション、相続後3年放置していたケース」)、商圏で頻出する悩みで視聴者が「自分も該当する」と思える事例を選びます。

NG警告型は緊急性を訴求しますが、不安を過度に煽ると宅建業法32条(誇大広告の禁止)に抵触します。構成は、冒頭(「◯◯をしないとこうなります」)→ 本文(失敗事例→制度解説→正しい対処法)→ 締め(CTA)。

NG警告型の注意点: 「◯◯しないと損します」は煽りすぎです。「空き家を放置すると固定資産税住宅用地特例(1/6軽減)が外れ、最大6倍になる可能性があります」のように制度と数値を示して事実で語ります。再建築不可物件の見極め方と価値創造で触れた通り、訳あり物件のリスクは事実を示して初めて信頼されます。

費用解説型・地域相場型の構成

費用解説型は数字で信頼を取る型です。構成は、冒頭(「◯◯にいくらかかるか」)→ 本文(費用の内訳→実例試算→費用を抑える方法)→ 締め(無料試算の案内)。売却価格2000万円の戸建てを例に、仲介手数料(72.6万円)、相続登記費用(9〜14万円)、測量費用(50〜80万円)、解体費用(150〜250万円)と項目別に示し、「手取りはいくらになるか」まで計算すると視聴者の意思決定を助けます。

地域相場型は競合と差別化する型です。構成は、冒頭(「商圏の不動産相場」)→ 本文(直近成約事例→相場動向→売り時の判断基準)→ 締め(無料査定の案内)。レインズ成約事例を集約(例:「◯◯市の築15〜25年マンション、直近3ヶ月は坪単価120万〜150万円」)し、「去年と比べて5%上昇」といった売り時判断や行政の再開発計画など商圏固有の材料を盛り込みます。

対談型の構成とポイント

対談型は視聴維持率が最も高い型です。15分の広告用または視聴維持率重視の解説動画に適します。構成は、冒頭(聞き手が質問+社長が結論)→ 本文(質問→回答を5〜10往復)→ 締め(聞き手がまとめ+CTA)。インタビュアーは固定名禁止(「聞き手」と記載)。

1往復の実例:

聞き手「相続した実家を売りたいんですが、何から始めればいいんでしょうか?」(20秒) → 社長「まず相続登記ですね。2024年4月から義務化されて、3年以内に登記しないと10万円以下の過料が科されます。登記が済んでいないと売却できませんので、最初のステップはここです。」(50秒)

対談型は聞き手の質問が視聴者の疑問を代弁するため、単独語りより離脱されにくい特性があります。対談式YouTube動画で視聴維持率を上げる8つのルールでは、聞き手の相槌・質問のタイミング・カメラ割りまで含めた詳細を解説しています。

台本作成の判断フローと品質管理の分岐

01 テーマ選定 行動理由5類型から検索意図を逆算・商圏固有の論点を追加
02 台本タイプ選択 尺と検索意図で6つの型から選択(知識層=Q&A型5分、広告用=対談型15分)
03 構成作成 冒頭フック(検索語+悩み+結論)→本文3章→締め(CTA)を組み立て
04 QA(7項目) フック・視聴者価値・事実正確性・差別化・カルーセル構造を採点
05 判定分岐 事実誤り=再作成 / 3項目以上△=要修正 / 全項目◯=撮影準備へ

QA合格の例

  • 冒頭15秒で検索語・悩み・結論の予告がある
  • 税制・法律・数字に誤りがない
  • 商圏固有の論点が1つ以上ある
  • 章見出し+タイムスタンプあり

QA不合格の例

  • 冒頭が自己紹介から入る
  • 相続登記期限・控除要件の誤り
  • 一般論の羅列でテンプレ臭
  • 章立てがなくタイムスタンプなし

事実誤りは宅建業者の信用に直結するため、最新制度を必ず確認

図2 台本作成の判断フローと品質管理の分岐
台本タイプ 構成 適用場面
Q&A型 5分 質問+結論→3章→CTA 知識層向け解説・検索流入
事例型 7〜10分 事例概要→悩み→解決→結果 信頼構築・同じ悩みを持つ層
NG警告型 5〜7分 警告→失敗事例→制度解説→対処法 緊急性訴求・知識層
費用解説型 7〜10分 費用の問い→内訳→試算→抑える方法 意思決定支援・比較層
地域相場型 7〜10分 相場の問い→成約事例→動向→判断基準 地域差別化・比較層
対談型 15分 質問+結論→5〜10往復→まとめ 広告用・視聴維持率重視

テーマの決め方(売主の行動理由5大類型からの逆算)

YouTube動画のテーマは、売主の行動理由5大類型(相続・施設入居・住み替え・離婚・ローン困難)から検索意図を逆算します。

売主の行動理由5大類型と検索行動の対応表

行動理由 典型的な検索語 実際の悩み
相続 商圏 相続 不動産 売却
実家 空き家 処分
相続登記 義務化
処分方法がわからない
登記の期限・費用
空き家の税金リスク
施設入居 商圏 家 売る 施設
住みながら 売却
施設入居 費用
入居費用の確保
売却タイミング
親の同意と成年後見
住み替え 売却 購入 同時
つなぎ融資 必要
学区 相場
売買の同時進行
資金繰り
引越しのタイミング
離婚 財産分与 不動産
離婚 家 売る
共有名義 解消
財産分与の流れ
オーバーローン
共有名義の処理
ローン困難 任意売却
住宅ローン 払えない
オーバーローン 売却
返済が厳しい
競売との違い
残債の処理

検索意図は知識層・比較層を狙い、第3層(決定層)は売り込みで離脱される

図1 売主の行動理由5大類型と典型的な検索語の対応表

各類型ごとに検索行動を洗い出します。相続なら「商圏 相続 不動産 売却」、施設入居なら「商圏 家 売る 施設」、住み替えなら「売却 購入 同時」、離婚なら「財産分与 不動産」、ローン困難なら「任意売却」などです。検索意図は3階層(知識/比較/決定)に分解し、YouTube動画は第1層と第2層を狙います。第3層は売り込みになり離脱されます。

売主が検索する5大理由と、それぞれの動画企画20本では、各類型ごとの具体的なテーマリスト30本を掲載しています。

商圏固有の論点を追加する方法

一般論だけでは競合動画に埋もれます。商圏固有の論点を追加して差別化します。

地価動向: 国土交通省の地価公示から商圏の地価トレンドを引用します。「◯◯市の住宅地は過去3年で平均5%上昇」といった数値を示すと視聴者の売り時判断を助けます。

行政制度: 空き家バンク、解体補助金など自治体独自の制度を紹介します。「◯◯市では空き家解体に最大50万円の補助金が出ます(2026年度)」といった情報は検索されやすく、競合が少ない領域です。

初期30本のテーマリストと運用フェーズへの移行

初期は30本のテーマリストを作成します。売主の行動理由5大類型ごとに5〜8本ずつ配分します。

初期30本のテーマ例(相続関連10本): 1. 「商圏で相続した実家を売る流れ(全体像)」(Q&A型、5分) 2. 「相続登記義務化で2024年からやるべきこと」(NG警告型、5分) 3. 「空き家を放置すると固定資産税が6倍になる仕組み」(NG警告型、7分) 4. 「相続不動産の売却にかかる費用を全部見せます」(費用解説型、7分) 5. 「実家を相続したが誰も住まない、売るべきか貸すべきか」(Q&A型、5分) 6. 「商圏の相続不動産、直近3ヶ月の成約事例と相場」(地域相場型、7分) 7. 「相続した実家が再建築不可だったケース」(事例型、10分) 8. 「空き家特例(3000万円控除)の要件と期限」(Q&A型、5分) 9. 「兄弟で相続した実家、共有名義のまま売却する方法」(Q&A型、7分) 10. 「相続不動産の査定額、高すぎる査定に騙されない方法」(Q&A型、5分)

施設入居関連5本: 親が施設に入るので自宅を売りたい流れと注意点、住みながら家を売る方法、施設入居費用を自宅売却で賄う手取り試算、親の家を売るとき親の同意と成年後見の境界線、商圏で施設入居を理由に売却した事例

住み替え関連5本: 売却と購入を同時に進める方法、住み替えで損しないタイミング、子育て世帯の住み替えと学区、老後を見据えた住み替え、商圏の住み替え需要とエリア人気

離婚・ローン困難関連5本: 離婚で家を売る財産分与の流れ、住宅ローンが払えなくなったら任意売却の流れ、オーバーローンの家を売る方法、離婚で家を売却した事例、任意売却と競売の違い

商圏固有・その他5本: 商圏の再開発計画と不動産相場への影響、商圏で空き家解体補助金を使って売却した事例、商圏の不動産売り時判断、専任媒介と一般媒介の選び方、不動産会社の選び方

初期30本を公開したら、運用フェーズに移行して月2〜4本を追加します。

月2〜4本の追加テーマ選定(運用フェーズ)

運用フェーズの追加テーマは、視聴者の反応から選びます。(1) YouTube Studio「リーチ」タブで流入検索語を確認し表示回数が多いのに既存動画がない検索語を狙う、(2) 視聴維持率50%以上の動画のテーマを深掘りする、(3) 問い合わせで3件以上聞かれた質問をテーマ化する、の3つです。

テーマ選定の判断基準: 検索ボリューム月10件以上、競合の動画が5本未満、動画で答えられる内容、自社の差別化が乗せられる、の4条件を確認します。

台本生成→QA→改稿のフロー

台本は生成したら必ずQA(品質チェック)を通します。生成 → QA → 採点結果で「公開可」「要修正」「要再作成」に分岐 → 修正 or 撮影準備へ進みます。

QAの合格条件(7項目):

項目 チェックポイント 不合格例
A.フック 冒頭15秒で検索語・悩み・結論の予告がある 自己紹介から入る、何の動画か不明
B.視聴者価値 数字・期限・条件が具体的に示されている 「いろいろあります」「状況次第です」で逃げる
C.自然さ 棒読みにならない、予定調和を避ける 「そうなんですね」の連続、質問が形式的
D.売主集客効果 信頼構築→CTA(無料査定・相談)への流れが自然 いきなり売り込み、CTAが唐突
E.事実正確性 税制・法律・数字に誤りがない(最重要) 相続登記期限の誤り、控除要件の誤解
F.差別化 テンプレ臭がない、競合動画と重複しない 一般論の羅列、商圏固有の論点がゼロ
G.カルーセル構造 章見出し+タイムスタンプでYouTube検索に最適化 章立てがない、タイムスタンプなし

事実の誤り例(頻出): 相続登記義務化の期限(2025年11月3日施行・過去の相続も3年以内に登記必要)、空き家特例の要件(相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで)、固定資産税住宅用地特例の解除(特定空家指定で1/6が外れる=最大6倍)。これらは宅建業者の信用に直結するため、必ず最新の制度を確認します。

E(事実正確性)が×なら即「要再作成」、3項目以上が△なら「要修正」、全項目が◯または1〜2項目が△なら「公開可」とします。QAで「公開可」が出ても、法令チェック(宅建業法32条・誇大広告の禁止)・個人情報チェック(事例の匿名化)を最終確認します。

よくある質問

Q. YouTube動画の台本を作るとき、最初に決めるべきことは何ですか?

A. 売主の行動理由(相続/施設入居/住み替え/離婚/ローン困難)のどれに向けた動画かを決めます。次に検索意図の階層(知識/比較/決定)を特定し、台本タイプ(Q&A型/事例型/対談型など)と尺(5分/7〜10分/15分)を選びます。形式が決まってから冒頭フックと本文の章立てを組み立てると、構成がぶれません。

Q. Q&A型と対談型はどう使い分ければいいですか?

A. Q&A型は単独語りで5分以内の解説向き、対談型は聞き手と専門家の掛け合いで15分の広告用または視聴維持率重視の動画向きです。Q&A型は「冒頭0:00〜0:15で質問+結論、本文3章、締め4:00〜4:30」の構成で手順や知識を伝え、対談型は聞き手の質問→社長の回答を5〜10往復させて視聴者の疑問を代弁しながら深掘りします。

Q. 月に何本の動画を追加するのが現実的ですか?

A. 初期は30本のテーマリストを作り、運用フェーズでは月2〜4本の追加が目安です。追加テーマはYouTube Studio「リーチ」タブで流入検索語を確認し、表示回数が多いのに動画がない検索語を選びます。視聴維持率が高かった動画のテーマを深掘りする、問い合わせで聞かれた質問をテーマ化する方法も有効です。

Q. 売主の行動理由5大類型とは何ですか?

A. 相続(実家を相続したが処分方法がわからない)、施設入居(自宅を売って入居費用に充てたい)、住み替え(子育て・転勤・老後を見据えた引越し)、離婚(財産分与で売却が必要)、ローン困難(返済が厳しくなった・任意売却を検討)の5つです。不動産売却の検索語と悩みの大半はこの5類型で説明でき、YouTube動画のテーマ選定に直結します。

Q. 台本のファクトチェックはどこまで厳密にすべきですか?

A. 税制・法律・数字は記憶に頼らず、最新の制度を確認してから記載します。相続登記義務化の期限(2025年11月3日施行・過去の相続も3年以内に登記必要)、空き家特例の要件(相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで)、固定資産税住宅用地特例の解除(特定空家指定で1/6が外れる=最大6倍)など、法定数値は根拠を明示します。誤りがあれば宅建業者の信用を毀損するため、公開前に専門家の確認を推奨します。

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AUTHOR

松本 龍樹

株式会社MCO 代表取締役/宅地建物取引士。代表プロフィールを見る